本と一緒に始める、大人のレザークラフト。革小物づくりのやさしい入門
本と一緒に始める、大人のレザークラフト。革小物づくりのやさしい入門
仕事や日々の生活に追われる中で、「何か新しいことを始めてリフレッシュしたい」「手を使って集中する時間が欲しい」と感じることはありませんか。様々な趣味がある中で、今回は「レザークラフト」を大人の趣味としてご紹介します。特に、手軽に始めたいと考えている方に向けて、本を入口とするレザークラフトの始め方とその魅力についてお伝えします。
レザークラフトとは?本を入門書にするメリット
レザークラフトとは、文字通り革を加工して様々なものを作る手芸や工芸です。財布やバッグのような大物から、キーホルダーやコインケースといった小物まで、アイデア次第で多岐にわたる作品を生み出せます。素材である革の風合いや、使い込むほどに変化する経年変化(エイジング)を楽しめるのも大きな魅力です。
新しい趣味を始める際に、何から手を付けて良いか分からない、と感じる方もいらっしゃるかもしれません。そこで役立つのが、入門書や実用書といった「本」です。レザークラフトを本から始めることには、いくつかのメリットがあります。
- 体系的に基本が学べる: 必要な道具の種類や使い方、基本的な革の扱い方、縫い方、コバ(革の断面)の仕上げ方など、始める上で知っておきたい基礎知識が順序立てて解説されています。
- 自分のペースで進められる: 教室に通う時間がない方でも、本があれば自宅で好きな時間に学ぶことができます。分からない部分は繰り返し確認できるのも利点です。
- 様々な技法やデザインを知れる: 入門書だけでなく、ステップアップした技法を解説する本や、多様な作品の型紙を掲載した本など、本の種類は豊富です。これにより、自分の興味やレベルに合わせて知識を深めていくことができます。
- 全体像を把握しやすい: 本を読むことで、レザークラフトの工程全体や、どのようなものが作れるのかを始める前にイメージしやすくなります。
どのような本を選べば良いか迷う場合は、「初心者向け」「入門」と銘打たれたものから手に取ってみてください。写真や図解が多い本は、工程が視覚的に分かりやすいため特におすすめです。
まずはここから。手軽にレザークラフトを始める方法
レザークラフトと聞くと、たくさんの道具が必要で難しそう、と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、最初に全ての道具を揃える必要はありません。まずは本当に基本的な道具と、小さな作品を作るための材料から始めてみましょう。
最低限必要となる基本的な道具としては、以下のようなものが挙げられます。
- 革包丁またはカッターナイフ(革の裁断用)
- カッターマット
- 菱目打ち(縫い穴を開ける道具)
- 木槌またはゴム槌(菱目打ちを叩く用)
- ビニール板またはゴム板(菱目打ちの下敷き用)
- 手縫い用の針(2本)
- 手縫い用の糸
- 革用のボンド
- ヘリ落とし(革の角を丸める道具、必須ではないが仕上がりが向上)
- コバ磨き(革の断面を磨く道具)
- 床面・コバ仕上剤(革の裏面や断面を整える薬剤)
これらの道具は、セットとしても販売されていますし、個別に購入することも可能です。最初は、入門書でおすすめされている必要最低限の道具を揃えるのが良いでしょう。ホームセンターや手芸用品店、インターネット通販などで手に入ります。
初期費用としては、入門書1冊(2000円程度)と、最低限の道具、そして練習用の革や小物制作用の革端切れなどを合わせても、数千円程度からスタートできます。
最初の作品としては、キーホルダーやコインケース、コードクリップなど、比較的小さく工程が少ないものがおすすめです。最近では、必要な材料と型紙、簡単な説明書がセットになった「レザークラフトキット」も多数販売されており、まずはキットから始めてみるのも非常に手軽な方法です。
制作にかける時間も、小さなものなら数時間で完成させることも可能です。一度にまとめて作業する時間が取れない場合は、型紙を写す、革を裁断する、縫い穴を開ける、縫う、コバを仕上げる、といった工程ごとに分けて、空き時間に少しずつ進めることもできます。仕事から帰宅後の短い時間や週末の少しの時間を活用して、マイペースに取り組むことができる趣味です。
作る喜び、使う楽しみ。レザークラフトの魅力
レザークラフトの最大の魅力は、自分の手で素材が形になり、一つの作品として完成するまでのプロセスそのものにあります。無地の革にナイフを入れ、糸で縫い合わせ、コバを磨いて仕上げる。一つ一つの工程に集中することで、日常の忙しさを忘れ、没頭する時間を得られます。
そして、完成した作品を手にした時の達成感は何物にも代えがたいものです。それが自分で使うものであれば、日々の生活の中で触れるたびに、作った時のことを思い出したり、愛着を感じたりするでしょう。プレゼントとして誰かに贈れば、手作りの温かさを通して気持ちを伝えることもできます。
さらに、革製品は使い込むほどに色艶が増し、手に馴染んでいきます。この「育てる」楽しみもレザークラフトならではです。自分で作ったものが、時間と共に変化していく様子を観察するのは、また別の喜びを与えてくれます。
最初はシンプルな小物からでも、技術が身についてくれば、より複雑なデザインや大物にも挑戦できるようになります。趣味として長く続けることで、手先の器用さが向上したり、デザインの知識が身についたりといったスキルアップにも繋がります。
本を片手に、革の世界への一歩を
レザークラフトは、特別な才能がなくても、基本的な知識と根気があれば誰でも始めることができる趣味です。そして、その第一歩を踏み出すための心強い味方となるのが、入門書です。
本を片手に、まずは小さな革の端切れやキットから始めてみませんか。革という素材に触れ、道具の使い方を学び、そして何か一つでも形にしてみる。その経験が、きっと新しい世界への扉を開けてくれるはずです。
忙しい日常に、手仕事の温かさや、何かを作り出す集中する時間を取り入れてみてください。レザークラフトは、あなたの生活に新しい刺激とリフレッシュをもたらしてくれるでしょう。