本を頼りに、絵やイラストを描く趣味。初めての一歩を踏み出すやさしいガイド
絵を描くことを、大人の趣味にしてみませんか
忙しい日々に追われる中で、「何か新しいことに挑戦してみたい」「日常とは違う形で自分を表現してみたい」と感じることはありませんでしょうか。そんな時、子どもの頃に楽しんだ絵を描くという行為を、大人の趣味として再び始めてみるのはいかがでしょうか。
絵やイラストを描くことは、特別な才能が必要だと感じてしまいがちですが、実は誰でも気軽に始めることができます。白い紙に向き合い、線や色を重ねていく時間は、集中力を高めつつ、心を落ち着かせる効果も期待できます。また、頭の中にあるイメージを形にしたり、身の回りのものを観察して描いたりすることで、ものの見方が変わったり、新たな発見があったりするかもしれません。
しかし、「何から始めれば良いのか分からない」「どんな道具が必要なのか」といった疑問から、最初の一歩を踏み出せない方もいらっしゃるかもしれません。そこで、本を頼りにして、絵やイラストを趣味として始める方法をご紹介したいと思います。
なぜ、本を入口に絵を始めるのが良いのか
絵やイラストの描き方を学ぶ方法は、教室に通ったり、オンライン講座を利用したりと様々です。その中でも「本」を入口にすることには、いくつかのメリットがあります。
まず、本は体系的に基礎を学ぶのに適しています。線の描き方、物の形をとらえる方法、陰影のつけ方、色彩の基本など、絵を描く上で知っておくと役立つ知識や技術が、段階を追って解説されている入門書が多く出版されています。自分のペースで読み進め、実際に手を動かしながら学ぶことができるのは、本の大きな強みと言えるでしょう。
次に、様々な技法や画材について知ることができます。鉛筆デッサン、水彩画、色鉛筆、コピック、デジタルイラストなど、絵の描き方には様々な種類があります。本を読むことで、それぞれの技法の特徴や必要な道具、表現方法などを知ることができ、自分が挑戦してみたいスタイルを見つけるヒントになります。
さらに、手軽に始められるという点も重要です。気になる本を一冊手に入れるだけで、学習をスタートできます。特定の時間に拘束されることもなく、自宅で好きな時に開いて学べるため、忙しい日々の中でも無理なく続けやすいでしょう。
書店には、全くの初心者向けに「30日でマスター」「絵が苦手でも大丈夫」といったタイトルで、非常に分かりやすく書かれた入門書が多数並んでいます。まずはそうした一冊を手に取ってみることから始めてみてはいかがでしょうか。
初心者でも取り組みやすい、絵やイラストの始め方
では、具体的に絵やイラストを始めるにはどうすれば良いのでしょうか。初期費用を抑え、手軽に始めるための方法をご紹介します。
必要な道具は、描きたいものによって変わりますが、最も手軽なのは「鉛筆と紙」から始めることです。 * 鉛筆: 好みの硬さのものを数本（HB, B, 2Bあたりがあれば十分です） * 紙: スケッチブックやコピー用紙など、描く練習であれば高価な紙でなくても構いません。 * 消しゴム: プラスチック消しゴムが扱いやすいでしょう。
これだけなら、数百円から千円程度で揃えることができます。まずは身近なもの（マグカップ、植物、自分の手など）を観察して描いてみたり、好きな写真やイラストを模写してみたりするのも良い練習になります。
色を使いたい場合は、色鉛筆や水彩絵の具も比較的安価なセットから始められます。最近では、安価でも発色の良い画材が増えていますので、最初はセットになっているものから試してみるのがおすすめです。
また、最近はスマートフォンやタブレットを使ったデジタルイラストも人気です。無料または安価なイラストアプリ（例:アイビスペイントなど）をインストールすれば、既に持っているデバイスで手軽に始めることができます。デジタルならではの表現や修正のしやすさがあり、紙とペンとは違った感覚で楽しめます。デジタルイラストの入門書も多数出版されていますので、本で基本的な操作方法や描き方を学ぶとスムーズに進められるでしょう。
始めるにあたって、最初から上手く描こうと気負う必要はありません。まずは「描くこと自体を楽しむ」という気持ちを大切にしてください。毎日少しずつでも良いので、描く時間を設けるようにすると、徐々に慣れていくことができます。
絵を描く趣味がもたらすもの
絵やイラストを描く趣味は、単に時間を過ごすだけでなく、様々な良い影響を日々の生活にもたらしてくれます。
まず、観察力が養われます。何気なく見ていたものでも、「描く」という目的を持つと、その形、色、質感などを注意深く観察するようになります。これは、絵を描く時だけでなく、日常生活でも気づきを増やすことにつながります。
次に、集中力とリフレッシュ効果です。一枚の絵に向き合う時間は、他のことから離れて没頭できる貴重な時間となります。集中することで日頃のストレスを忘れ、描き終えた時には達成感と共にリフレッシュできるでしょう。
さらに、自己表現の手段となります。頭の中で思い描いたイメージを形にする、感情を色や線で表現するといったことは、言葉とは違った方法で自分自身と向き合う機会を与えてくれます。
描いたものをSNSで公開したり、知人に見せたりすることで、新しい交流が生まれることもあります。他の人の作品に触れることも、刺激になり学びとなるでしょう。
本と共に、あなたの絵の世界を広げる
本で絵の基礎を学んだら、さらに興味のある分野の技法書に進んでみたり、特定の画材に特化した本を読んでみたりと、学びを深めることができます。また、本でインスピレーションを得つつ、YouTubeなどの動画コンテンツで実際の描き方を見てみるなど、他の情報源と組み合わせることで、より実践的に技術を習得することも可能です。
まとめ
絵やイラストを描くことは、大人になってからでも十分に始められる素晴らしい趣味です。「自分には絵心がないから」と諦めずに、まずは一冊の入門書を手に取ってみてください。鉛筆一本と紙、あるいはスマートフォンがあれば、すぐにでも始めることができます。
完璧を目指すのではなく、描く過程そのものを楽しみ、表現する喜びを感じてみてください。絵を描く時間は、きっとあなたの日常に新たな彩りと発見をもたらしてくれるはずです。本をあなたのガイドにして、絵を描く世界への最初の一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。